はじめまして。シゲと申します。本名は「繁雄(しげお)」で、この名前は九州出身の曽祖父からそのまま受け継いだものです。日本のルーツを持ちながら、日系アメリカ人4世としてアメリカで育ちました。浄土真宗(西本願寺)の仏教の環境で育ち、母もお寺で働いていたので、私は小さい頃からお寺とコミュニティの中で過ごしました。祖父は町の「ジャパンタウン」を立ち上げた中心人物で、そのコミュニティはただ日本文化を守るだけではなく、今でも続く強い基盤を築きました。バスケットコートや道場を備えたお寺、大きな厨房や講堂、アパートや駐車場の収益で活動を支える仕組みなどを整えたことで、日系アメリカ人のコミュニティは4世代、5世代、そして6世代と続いてもつながりを失わずに生き残っています。
その経験から学んだのは、文化は「信仰」「コミュニティ」「インフラ」によって守られるということです。そしてこれは、今の日本に住むムスリムにとっても、とても大切な教訓だと考えています。
私は長年プロの和太鼓奏者として活動し、日本の伝統芸能の世界に深く関わってきました。そこで見えたのは、日本の伝統が次の世代で途絶えてしまうかもしれないという危機感と、その再生の必要性でした。現在は「Thrive in Japan」という語学・文化スクールを運営し、外国人が「日本でただ生き残る」のではなく「日本で豊かに生きる」ためのサポートをしています。その活動を通して、文化的な適応がどれほど大変で、同時にどれほど大切かを実感しています。
私は2人の子どもを持つ父でもあり、妻も日本人であり、私と同じくイスラームに入信したリバートです。妻はダアワ活動にとても熱心で、特に「次の世代を育てる」という柱に力を注ぎ、子どもたちが「日本人であること」と「ムスリムであること」を誇りに思える環境を作ろうとしています。私たち夫婦は、友人や先生方、そして他のムスリム家庭とつながりながら、家族の周りにコミュニティを築く努力を続けています。
私はイスラームの学者ではありません。家族と一緒にまだ学び続けている立場です。でも私には、異文化の中で育ってきた経験、日本文化とイスラームを共に大切に守りたいという思い、そして「コミュニティはみんなで築いていくものだ」という信念があります。
The Muslim Minority は「私のプロジェクト」ではありません。信仰と文化と理性に根ざした「私たちのビジョン」です。私の歩みを通して、この思いに共感してくださる方がいれば、ぜひそれぞれの力を持ち寄って、一緒に未来を形作っていきたいと思っています。それは、日本にふさわしく、イスラームにふさわしく、そして私たちの子どもたちにふさわしい未来です。